0.固体物理とは
固体物理とは、その名の通り固体状態にある物質の性質を調べようというものである。固体というのは、基本的に結晶構造を持つものであるから、その結晶構造がその物質の性質にどのような影響を与えているのか、などということを扱う。なかなか面白くて、僕の中ではお気に入りの分野だ。応用例として有名なのは半導体などが挙げられる。
1.結晶の分類
結晶構造というのは、単位格子
の繰り返しによって作られる。たとえば立方体の頂点に原子がひとつづつあるみたいな感じだ。その単位格子の形によって結晶は分類される。ちょっと図を作るのはめんどくさかったので省かせてもらうが、単純立法格子、面心立法格子、体心立方格子、etc...と色々あるのでちょっと調べてみてほしい。いくらでも詳しい画像がヒットするはずである。
2.基本並進ベクトル
結晶というのは原子が規則正しく並んだ構造をしているのだから、ある格子上の位置\(\b{r}\)を他の格子上の位置\(\b{r}'\)に、
\[\b{r}' = \b{r} + n_1 \b{a}_1 + n_2 \b{a}_2 + n_3 \b{a}_3 ~~~~~ (n_1,n_2,n_3 は整数)\]
のように対応付けられるベクトル\(\b{a}_1,\b{a}_2,\b{a}_3\)の組が存在するだろう。そのようなベクトルの中で最小のものを基本並進ベクトル
という。別の言い方をすると、基本並進ベクトルを使えば、全ての格子点を上の式のように表せるということだ。逆にそれができなければ基本並進ベクトルとは呼べない。
さらにその基本並進ベクトルによってつくられる平行六面体のことを単位構造
と呼ぶ。